Chance For Allとは

私たちの活動のすべては「こどもたちのため」につながっています。

「こどもたちにこうなってほしい」「こどものことを思うとこうしたほうがよい」など、
私たちの活動の主語はいつも”こども”です。
大人の都合によって、こどもによって、言うことややることを変えたくないという気持ちを強く持っています。

VISION
実現したい未来

生まれ育った家庭や環境に関わらず、
だれもがしあわせに生きていける社会の実現

人は生まれながらにして、みんなそれぞれ違うもの。得意なことや不得意なこと、容姿や特性など本人のことはもちろん、家庭の状況や国籍など、本人を取り巻く環境も違っているのが当たり前で、自然なこと。

私たちが大切だと考えているのは、誰もがそうした違いはあるものとして受け入れたうえで、それでも誰もが幸せに生きていけること。違いで困っているときや苦しんでいるときには、少しでもよい方向に向かうことができるよう、一人ひとりに寄り添っていきます。

MISSION
私たちの使命

個別課題解決
現在「社会課題」と呼ばれる課題は社会に山積しています。「こどもの貧困」「虐待」「いじめ」「不登校」など、課題ごとに切り分けて、その課題にあてはまるこどもたちを想定してアプローチすることが一般的かと思います。
私たちは「社会課題」を解決するのではなく、「個別課題」の解決を目指します。目の前のこどもたちやそのご家族、それぞれの困り事に寄り添うことです。私たちCFAだけでは解決がむずかしくても、学校や行政、専門機関など多くの大人とつながることで、こどもたちを見守っていきたいと考えています。
社会課題予防
私たちは「崖から落ちてから支援するのではなく、崖の手前で助けたい」とよく表現します。困難な状況に陥ってしまっては、本人も大変ですし、支援する側としてもなかなか成果が出にくく辛い思いをするということもあるのではないでしょうか。困難な状況に陥ってから手を差し伸べるのではなくて、実際に困るその前に、それぞれの困り事を未然に防ぐことができるよう働きかけていきます。
未来創造
変化が大きく予測できないこれからの時代を生きていくこどもたち。これからの未来をつくるのは、ほかでもないこどもたちです。大人がよいと判断したものを、大人がプログラム化してこどもに提供するのではなく、こどもと一緒に作っていく活動が大切だと考えています。こどもたち自身が社会をつくっていくことを、大切にしています。

VALUE
大切にしている価値観

1幸福なくして教育なし
こどもたちは今、幸福を感じているからこそ将来のために頑張ることができます。今も将来もずっとしあわせに生きていってほしい。それがわたしたちの願いです。
2いるだけでいい場所
居場所とは居るだけでよい場所です。学校生活を頑張るこどもたちにとっての安心できる基地。自分らしくのびのびと過ごせる場所。私たちが作る居場所は、そんな場所でありたいと考えています。
3あそびこそ
さいこうのまなび
友達とお腹が痛くなるほど笑ったり、時間を忘れて真剣に取り組んだり、時にケンカして泣いたり、仲直りして喜んだり。放課後には喜怒哀楽のすべてがあります。自由なあそびの中でこどもたちは人生に大切なことを学んでいきます。
4自分たちのくらしは
自分たちでつくる
こどもたちには、自分たちのことを自分たちで決めて、成功も失敗も経験しながら、成長してほしいと願っています。自分の人生を他人のせいにしない。自分の人生を自分でよくしていく。変化の多い時代に生きていくこどもたちには必須の姿勢です。
5体験(わくわく)が
人を育てる
楽しかったこと、大変だったこと、失敗したこと、仲間と協力して乗り越えたこと…わたしたちは、人生にとって大切なことはすべて教室の外で学んできました。いつの時代のこどもたちにも、体験からの学びを保障したいと考えています。
6つながりが力になる
個人だけ、CFAだけでは、解決できないこともたくさんあります。保護者のみなさん、地域の方や学校、専門機関などたくさんの大人とみんなで一緒にこどもたちの成長を見守ることのできる社会を実現したいと考えています。
7ごちゃまぜで過ごす
私たちは、家庭の経済状況も、特性も、発達も、国籍も関係なく、すべてのこどもにとって開かれた、ごちゃまぜの居場所をつくっています。ごちゃまぜだからこそ、互いに学び合い、気づき合うことができるのです。
8Be unique!
Uniqueは、「個性的な」という意味でとらえられがちですが、そうではなく「ただひとつだけの、唯一(無二)の」という意味です。唯一無二の存在である一人ひとりの「その子らしさ」を大切に育んでいきたいと考えています。

MESSAGE

中山勇魚 写真

特定非営利活動法人Chance For All
代表理事

中山勇魚

一人ひとりのこどもが
「これが自分の人生だ」と胸を張って言えるように生きていくこと、
そうやってしあわせになっていくこと

CFAが生まれて最初のキャッチコピーは「すべてのこどもたちに可能性を」。どちらかというと厳しい環境にある子たちの学力格差や体験格差の解消を目指してさまざまなプログラムを実施していました。

しかし、放課後の時間でたくさんのこどもたちと過ごしていく中で「これはどうもおかしいぞ?」「お金のない家庭の子だけでなく、他にも苦しんでいる子が多いぞ」ということに気づきました。どうにもこうにも苦しそうな表情で生きている子のなんと多いこと。

僕たちが小学生の頃、放課後の時間は自由に満ち溢れていました。大人から解き放たれて、自分たちのやりたいことに没頭する時間。竹藪で蚊にさされながら秘密基地を作ったり、ピカピカの泥団子づくりにハマったり、自転車で一時間かけてザリガニの釣れる公園に行ったり。かくれんぼが上手な子、いたずらの天才、ゲームのことならなんでも知ってる子。放課後は勉強やスポーツみたいな大人たちからの評価とはまったく異なる、こども同士の関係性の中で誰もがヒーローになれる時間でした。

でも今はどうでしょう。都会の子は塾や習い事に追われて自由なんてありません。田舎の子は少子化で隣の家が遠すぎて放課後に友だちと遊ぶこともできませんからスマホゲームやyoutubeで時間を潰しています。どちらも大人たちが作った枠の中でコンテンツを消費するだけの毎日です。

そうやってストレスを貯めたこどもたちの叫びが、こどもの自殺者の増加、いじめの増加、不登校の増加など数値にも現れてしまっています。

学校の先生には申し訳ないけど、はっきり言って学校なんて昭和の頃からたいして変わっていません。むしろちょっとよくなったくらいです。

でも放課後の時間は激変してしまいました。なんだかとっても息苦しくてドロドロとした時間になってしまっているような気がします。

こどもたちにもっと自由にのびのびと過ごしてほしい!成長の前にまず幸せを感じながら生きてほしい!そんな想いでCFAのキャッチコピーは「あそびこそ、さいこうのまなび」「幸福なくして教育なし」と変わってきました。

そして「生まれ育った家庭や環境に関わらず、その後の人生が左右されない社会の実現」という理念も、10年目を機に「生まれ育った家庭や環境に関わらず、だれもがしあわせに生きていける社会の実現」へと変えました。

生まれた家や育つ環境に人生は左右される。そのことを受け止めたうえで「すべてのこどもたちに幸せになってほしい」という想いが込められています。

でも「しあわせ」ってなんでしょう?お金があること?偉くなること?家族と過ごすこと??それはきっと人によって異なるのではないでしょうか。なのでCFAの10周年を記念して作られたキャッチコピーは「自分の人生を生きる」になりました。

一人ひとりのこどもが「これが自分の人生だ」と胸を張って言えるように生きていくこと、そうやって幸せになっていくこと。そんな社会を実現することを目指して次の10年も活動していきたいと思います。

2023年5月